「週刊プレイボーイ 10/3号」 95/10/03 文・撮影/ジジ

石井聰互監督の映画『水の中の八月』で
麗奈はヒロインを演じている。生命の源、水の持つ
浮遊感、包容感、恍惚感を主旋律に、
不思議なSFファンタジーが展開する。
麗奈が初めてその顔を見せてくれたのは、
篠山紀信撮影の『少女革命』だった。
「バルディウスの絵から抜け出たような脅威の少女」
と表現された美少女が、今、目の前にいる。


●夏休みも終わりに近づいたある日、麗奈は熊本空港の到着ロビーの雑踏
の中で出迎えてくれた。今はまだ、家族と熊本で生活をしている。熊本
市内の学校、九州学院中等部3年。いっしょに空港の建物から外へ出る
とm大きな積乱雲が目に飛び込んできた。九州の入道雲は元気がいい。
「夜になると、星もいいですよ。ホント、星が落ちてくるみたいにいっ
ぱい見えますよ」。火の国の15歳の娘は、大きな空を見上げて言った。声
が大きい。屈託がない。ここでは娘も元気がいい。オンナノコなんてヤ
ワな言い方じゃない。ムスメと呼んであげたくなった。
●熊本の目抜き通り、下通りのアーケードを歩いていたら、スケボーを
持ったふたりの男に麗奈は呼び止められた。路上でヒソヒソと話をして
いる。中坊同士の楽しいおしゃべりってやつだ。「スケボーの仲間なの。
近くの公園にみんな集まってるから、あとで行っていい?」。どうやら麗奈
は、スケボーをこよなく愛する熊本の明るく元気な子たちの、マドンナ
的存在でもあるらしい。あまり遅くならないなら、東京から来たヨソ者
に異存のあろうはずはない。残り少ない夏休み。麗奈は食べたいと言っ
ていた夕食のトマトもそこそこに、自分の街を駆けて行った。
●熊本市内から車で1時間程のところにある菊地渓谷へ出かけた。阿蘇
山からの雨水を集めた渓流は、氷水のように冷たい。水辺では大勢が涼
をとっている。麗奈も水の中で遊んでいた。「映画に入る前、水泳の特訓
をやったんです。高飛び込みの選手の役だから、きれいに泳げないとだ
めだし。肩とか腕とか足とかに、筋肉がいっぱいつくくらい練習したん
です。」でも、撮影が終わったらその筋肉ももとに戻ってしまった。
15歳の娘の太ももは、夏の終わりには少しふっくらとしていた。




○こみね れな(本名)
1980年7月19日生まれ
身長159cm B77W56H83
血液型=AB型
○SONYのQbricのCMに出ているが、9月9日公開の映画
のあと、10月からは、ドラマ『3年B組金八先生』にもレギュラー出演する。
広島美香役に乞うご期待!